第22章 参観日が始まると、彼女のことを思い出した?

長谷川栞は嘲りに、ほんの少しだけ自嘲を混ぜた。

「今さらでしょ。初めてじゃないのに、私に余計な説明してどうするの」

瞳の温度がすっと下がる。

中野航平の「仕事」を理由にした言い逃れを、彼女はこれまで何度聞かされてきただろう。

中尾美希が深夜にかけてきた電話も「仕事」。

退勤後にかけてきた電話も、やっぱり「仕事」。

中野航平は目を伏せた。胸の奥が重い。

長谷川栞の刺々しい言い方に、言い返す気力もない。ここでまた「説明」すれば、どうせ喧嘩になる。

何度言えばいい。

自分と中尾美希の間には、何もない。

それに、中尾美希は長谷川栞が手塩にかけて育てた人間だ。

その彼女にまで、嫉...

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